2007年4月24日火曜日

日陰者のレンズ

ペンタックスのレンズ群には昔からちょっと変わり種というか主力ではないものが時々あります。
主力の製品と同じ焦点距離でありながら明るさが微妙に違うレンズたちです。

現在のFA Limitedシリーズなどは明らかに別設計の高級製品群ですが、そこまで違うというのではなくびみょ~に違っている、主力の製品から見ると従兄弟的な印象のレンズたちです。

うちにもそういったレンズが2本あります。
1本は、SMC Takumar 2.0/35です。
この時代の35mmのレンズは3.5/35と言うのが主力で2.0/35というのは明るさ的には1段明るいのですがどうも日陰の存在です。

もう1本がこのTakumar 3.5/200です。
このレンズは世代的に古いと言うのもあるのですがTakumarレンズでは200mmの主力は4.0/200ではないかと思います。
4.0/200はそれなりに長いレンズですが細身で写りの評価も高い望遠レンズです。

対して3.5/200はかなり太い大きなレンズで明るさ的には少々明るいのですが、ハッキリ言って大きすぎます。

[Takumar 3.5/200]

個人的にはこのレンズの写りも結構好きです。


[Takumar 3.5/200]

古いレンズなのでコントラストは甘めで写りも開放では少々ねむい感じですが少し絞るとそれなりにシャキッとしてきます。

僕は基本的に柔らかめの描写が好きなのでこの欠点も僕にとってはメリットと言えます。


[Takumar 3.5/200]

ボケはTakumarレンズらしい柔らめのボケで、絞っても綺麗な形のボケになります。
それもそのはず、なんとこのレンズはプリセット絞りなので絞り羽根が18枚もあります。

JUPITER-9よりもさらに多い絞り羽根を持っていますので絞りの形状は円形といっても差し支えないと思います。


[Takumar 3.5/200]

発色も、マルチコートされていないレンズとしては十分だと思います。


[Takumar 3.5/200]

しいて気になるところを上げると、ボケに色収差が出ることが良くあります。
上の写真の電線のようにコントラストの強いボケでは色滲みが顕著です。

パープルフリンジとはちょっと違って赤系や緑系の滲みになることが多いように思います。
緑の滲みというのはどういう仕組みで出てくるのか少々不思議な感じがします。(色収差では無いのかも知れません。)

絞り枚数の多いところなどとてもくすぐられるレンズなのですがその大きさと重さから、ほとんど散歩写真しか撮らない僕にとってはあまり出番のあるレンズではありません。

2 件のコメント:

Hoppyman さんのコメント...

これはいいですね。私はSMCのF4を持っていますが、開放から破綻のない優等生的な写りです。いつでも安心して使えますが、面白みには欠けます。こちらはある意味、癖玉かも知れませんが、使っていて楽しくなるレンズではないでしょうか?

ten さんのコメント...

SMC Takumar 4/200はネット上で見られる作例でも本当に良いレンズみたいですね。

Takumar 3.5/200と比べるとかなりコンパクトな印象があるのと中古価格も割と手頃のようなのでちょっと考えてしまいます。

でも、200mmは*istで使用すると300mm相当とかなり長いのであんまり使うこともないですから、くせ者くんと楽しむのもいいかと思っています。

Ratings by outbrain