2019年10月15日火曜日

蹴上インクライン(ねじりまんぽ)


久しぶりの「ねじりまんぽ」ネタです。

京都にはとても有名なねじりまんぽがあります。三条蹴上のインクラインの下を通るトンネル(インクラインにとっては橋梁)で、京都 蹴上(けあげ)から山科 御陵(みささぎ)に抜ける三条通のすぐ脇に有り、三条通からもよく見えています。

以前紹介させて頂いた2つのねじりまんぽ「円妙寺橋梁」「馬場丁川橋梁」はJR京都線(東海道本線)の橋梁で現役バリバリの構造物ですが、このインクラインのねじりまんぽは観光遺産ですので、アクセスも見学も容易で案内板なども整備されています。

南禅寺、蹴上インクラインに行かれた際には、是非、くぐってみてください。[場所]

三条通り側の入り口。アーチは4重巻きの立派なアーチです。

照明もちゃんと設置されています。


このねじりまんぽはSL(スプリング・ライン)から下が独特の構造で小さな飾りアーチがいくつも施されています。

観光遺産ですので、内部も綺麗に保存されています。

南禅寺側の入り口。


通り抜けの動画を作ってみました。
[Insta360 One X]

坑門はとても立派で、扁額もちゃんとあります。

三条通り側は「雄観奇想」と書かれているそうです。
南禅寺側は「陽気発處」だそうです。

見てのとおりトンネルに対して坑門が斜めになっています、トンネルが上を走るインクラインに対して斜行しているためで、この斜行状態のレンガアーチを実現するためにねじりまんぽになっているのですね。



2019年10月8日火曜日

老ノ坂峠の旧街道


京都と山陰地方を結ぶ山陰街道、今は国道9号線になるのですが、元々は旅人が徒歩で行き交った旧街道が在ったはずです。

現在、京都と亀岡を結ぶ老ノ坂峠には、国道9号線に現旧2本の老ノ坂トンネル(旧トンネルは隧道で現在は歩行者専用道)③と、京都縦貫自動車道の新老ノ坂トンネル2本④が通っているのですが、俗に言う旧街道に相当する道筋がGoogle Mapでは見当たりません。

国道9号線が旧街道の上に作られたとも考えられるのですが、京都側の沓掛から老ノ坂トンネルに至る9号線を自転車で走ってみると、小畑川の支流(河川銘不明)沿いに走る道筋は旧街道の趣が全くありません。谷が険し過ぎて街道筋という感じでは無いのです。また、旧街道に在りがちな、集落や旧家といったものも全くありません。
亀岡側には篠町王子石仏、蛇谷にそれらしい道と集落があり、「従是東山城国 道標」という石碑があります。

Google Mapで老ノ坂近辺を見る度に、京都側はどこに街道が繋がっていたのか?と、以前からずっと不思議に思っていました。


↑ 赤矢印は亀岡側から京都市内を指していますが、亀岡側の旧街道とおぼしき「従是東山城国 道標」の位置で地図上の道筋は途切れています。
道が途切れた先には国道9号線の老ノ坂トンネル手前から伸びる道①があるのですが、地図上は繋がっておらず、道筋も直交していて同一の道筋には見えません。調べてみるとこの道は、京都市西部圧縮梱包施設(西部クリーンセンターの一部)という、ゴミ処理施設②に繋がる道で、関係者以外の通行が原則禁止されている新しい道路でした。


勾配はどうなっているのだろうかと、等高線が表示されるルートラボで同じ場所を表示してみると、、、、!!!「従是東山城国 道標」よりもまだ先に少し道が延びていて、①の道路側に橋梁らしき記号が表示されているではありませんか!!
道が途切れた場所⑤から、①の道路の橋梁を潜り谷筋沿いに伸ばしていく(青点線)と、あ!京都側にもGoogle Mapでは表示されていない道⑥が在りました。

これはもう、「現地に行ってみるしか無い!」ということで、先日、電動アシスト自転車のTREK Verve+に乗って行ってきました。

京都側から、京都霊園の脇を流れる小畑川に沿って舗装された道路を登っていきます。ここはかなり急な上り坂ですがアシストが強力に効くので楽々です。
この道路はNEXCOの老ノ坂トンネル関連施設の脇を通り、京都霊園の敷地に続いているのですが、NEXCOの施設のすぐ上手にさらに上に行く舗装路⑥が延びていて、しばらく登ると、地図に記載されていたとおり突然道路が途切れ行き止まりになっています。



道路終端部は舗装が広くなっていて、転回場所となっているようです。行く手には大阪ガスの配管設備があるようで、柵が作られていて先には進めません。左手は谷になっていて迂回できそうにありません。
「ここまでかぁ~」と、休憩して保水しながら右手の山側斜面を見ると「!」、草木の生い茂る林の中、葛籠折れになった道筋が伸びているように見えます。


自転車を置いて、徒歩で登って行くと、、、。


確かに葛籠折れになった先に道筋が続いています。(完全に山道ですが。)

葛籠折れから舗装路の終端を見下ろすとこんな感じ。

どうやら舗装路の終端部分は、元は葛籠折れの一つ目の折り返し場所だったようです。
しかし、先に続く山道はどう考えても電動アシストクロスバイクで走る道では無いので、どうしたものかと思案しましたが、とりあえず行けるところまで行ってみることに。

電動アシストなのでパワーは十分に有るのですが、タイヤが全くグリップしません。


倒木が道を塞いでいます。

ここも。

倒木を乗り越えます、電動アシストMTB欲しい。

あ!、クリーンセンター専用道路①の橋梁ですね。

専用道路なので上がるなと注意書きが有ります。

旧街道を跨ぐ形で道路を通した様です。

ここには川筋は全く無いので、この道が無ければ橋梁では無く盛り土で通しても良いはずです。わざわざ橋梁を作ったのは、この道を潰してしまわないためでしょうか?

橋梁の下を潜ると下りになりました。

こちら(亀岡)側は山道の道幅があります。

なんとなく、旧街道の面影。

舗装路が見えてきました、⑤のあたりに出たのだと思います。
未舗装(山道)区間は約400mの距離です。

亀岡側舗装路の終端部(亀岡側から撮影)。道筋は続いていますが段差があります。

すぐ脇に「首塚大明神」という割と有名な心霊スポットがあるので、この近辺の写真はこれだけ。(写真がブレているのは、怖くて手元がくるったのか??)

くだんの、「従是東山城国 道標」

亀岡側は少し下ると、ちょっとした集落になっています。

とりあえず、京都側から亀岡側に抜けられる旧道らしきものが存在していることは判りましたが、この道が旧山陰街道なのかどうかは不明です。本当の旧山陰街道のルートって、何処なのでしょうね?

[追記]
Webで色々と検索してみると、今回越えた峠道が「旧老ノ坂峠」でいいようです。
京都側の峠へのアプローチ部分が微妙なのは、京都霊園の造成とクリーンセンター建設の際に、かなり大規模な造成を行った為のようです。
特に京都霊園の入り口(国道9号線からの分岐部分)から、NEXCOの新老ノ坂トンネル付帯施設までの小畑川沿いは元の面影が全く無いほど造成されたようです。

この旧道、登り勾配はきつめですが、距離的には国道9号線経由の半分くらいのように思います。あと、国道9号線のルートと比べると渓谷自体はかなり穏やかな印象です。(国道9号線の渓谷は急峻なV字渓谷です。)


ルートラボの地形を見ていると、何故、国道はわざわざ遠回りして急峻なV字渓谷のルートを選択したのか良くわかりません。(まさか、首塚を避けたとか??)

ちなみに、国道9号線と今回通った旧道とおぼしきルートの間にある山林はまるごと「洛西散策の森」というかなり広大なハイキングスポットとして整備されているようです。



最後に、亀岡側にあるもう一つの心霊スポット「廃ラブホ」です。



このあたり、夕方や夜間は絶対に近づきたくないです。

帰り掛けに、サイクルベースあさひに寄ってシティーサイクル用のサークルロック(そのままではフレームのゴツい電動アシスト自転車には付きません。)を入手し、いつもの一条アルティメイトファクトリー京都西でVerve+に取り付けて頂きました、いつも無理を言ってすみません。


おかげで、ポタリング時の短時間駐輪がとても楽にかつ安心になりました。ありがとうございます。


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