2010年6月14日月曜日
円妙寺橋梁(ねじりまんぽ Part2)
ご近所「ねじりまんぽ」2つ目です。
「円妙寺橋梁」という名前のこのねじりまんぽは、1つ目の「馬場丁川橋梁」と比べるとさらに小型のアーチでWebで調べたところ、現存する中で「最小(アーチ径)のねじりまんぽ」という記述がありました。
東側の入口は、ちゃんとアーチの入口が見えています。
「馬場丁川橋梁」とは違い、東海道線拡幅時の継ぎ足しが西側のみに施されている為、東側入口は作られた当時の面影をとどめています。
元々は「馬場丁川橋梁」と同じく水路用のトンネルだったようですが、現在は人が通れるように改修されています。(人だけではなく結構大きめのパイプも通してあります。)
トンネル内はかなり狭く、ひと一人が屈んでやっと通れるくらいで、行き違いは片方がパイプの上に避けなければいけません。
アーチの基礎部分は石積みで、「馬場丁川橋梁」よりも高い位置(割合的に)まで石積みになっています。
積み上げの傾斜は「馬場丁川橋梁」の方が若干急なように見えます。
また、基礎の石積みの上に直接煉瓦の傾斜積みが積まれています。(「馬場丁川橋梁」では石積みの上に2段水平積みの煉瓦があって、そこから傾斜積みが始まっています。)
東側出口は、そのまま道路に続いています。(見えているチャリンコは僕が乗って来たレンタサイクルです。)
作られた当初は、この床のコンクリート敷きはなく右側に見えている水路が床全面を占めていたのだと思います。
この水路部分、良く見ると床も煉瓦敷きになっていて、逆アーチねじりまんぽになっています。
改修前は天井も床麺もねじりまんぽのアーチだったのではないか?もしそうであれば、是非、見てみたかったと思います。
最小のねじりまんぽで、かつ、天井も床もねじりまんぽのアーチ!!
今なお気軽に見学出来る形で残っている事をとても嬉しく思います。
[2019年5月21日 追記]
この床面の逆アーチ、トンネルの用語で「インバート」と言うそうです。最近、トンネルの健全度検査に関係する仕事をした際にその道の専門家から教えて頂きました。
トンネルの覆工は通常、上や左右からの圧力に耐えられるように作られているそうですが、軟弱地盤などで下から上方向への圧力が予想される場合に、このインバートという床面の逆アーチ構造を施工するとの事でしたが、円妙寺橋梁の床面がそれに当たるかどうかはよく判りません。
機会が有ったら、前出のトンネルの専門家氏をこの地にお招きして観ていただきたいなと密かに思っています。
西側出口は、コンクリート製のハコ(カルバート)で延長されていて、また、道路よりも低い位置に出ているため、階段が設けられています。
入口、天井部分の出っ張りは、誤って頭をぶつけても重大な事態にならないようにと張られているウレタンマットのようです。
アーチ径が極小のため、個々の煉瓦の存在感があります。
「円妙寺橋梁」という名前ですが、この近辺の地名が「円明寺」で読みは同じなのですが何故か漢字が違っています。
元々は水路トンネルなので橋梁という名前なのでしょうが、橋と見た場合、全長(渡る距離)よりも橋の幅の方が何十倍も長いので溝の蓋のような感じです。
ここも自動車が通れないので、保存状態はなかなか良い状態です。
高槻にある、自動車が通れる大きさのねじりまんぽは接触と排気ガスによる破壊が痛々しい状態だそうです。
なんでも古い物が良いとは思いませんが、長く使用する事に耐えられる物は、大切に使用して長く持たせる方が色々な意味で良いのではないかと思います。
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