2007年10月18日木曜日

マンモス電気機関車

EH1061

小学生の頃、高槻市に住んでいた僕は頻繁に京大実験農場裏手の東海道線に電車を見に通っていました。

当時は今よりも鉄道(国鉄)に元気があり、たくさん(数も種類も)の列車が行き来していました。
当時は新快速がなく、替わりに特急や急行が今よりもたくさん運転されていました。
また、貨物列車は今とは比較にならないくらい多く走っていて機関車の種類もたくさん見ることが出来たのを覚えています。

そんななか、小学生だった我々に「くろべえ」と名付けられ、恐れられて(笑)いたのがこのEH10型電気機関車でした。

真っ黒な車体に黄色い帯線、お世辞にも愛嬌があるとは言えない面構え、おまけに2両一組というとても珍しい形式で特に長い貨物列車を牽引するEH10は、小学生の我々には十分悪魔的でちょっと怖い存在でした。

長いことそんな思いではすっかり忘れていたのですが、先日、ひょんな事からすでに現役を引退して久しいこのEH10型電気機関車が職場の近くの東淡路南公園に1両だけ静態保存されていると言うことを知り、どうしても会ってみたくなり仕事の帰りに寄り道して見に行ってきました。

静態保存されていたのはEH1061でした。特にこの61号という個体に出逢った記憶は無いのですが、真っ黒でちょっと恐ろしげな大型の電気機関車はとても懐かしい姿で今も保存されていました。

保存の状態は決して良いとは言えませんが、ちゃんと屋根のある保管場所で周りを柵で囲われた状態で今も当時雰囲気をちゃんと残していました。

国鉄の電気機関車としては唯一の8軸動輪。EHの「H」は動輪の軸数が8本(Hは8番目のアルファベット)であることを表しています。「E」は電気機関車(Electric)を表しているそうです。

揺れ枕の板バネが大きく左右に張り出している古い形式の台車は間違いなく記憶にあるEH10でした。


2両の機関車が永久連結されたEH10、この見た目にはちょっと貧弱な永久連結器(写真中央上部ちょっと左より)が1200トンの貨物列車の重みに耐え、東海道線の難所である関ヶ原の峠越えをしていたのだと思うと感慨深いものがあります。


板バネが揺れ枕に使われている当たりが今見るととてもレトロな感じがします。
揺れ枕の奥に8機で定格出力2530kWを発生させていたMT43主電動機の一部が見えています。
台車には住友のマークがありますね。

柵に囲われ公園の一角に鎮座するEH10に昔の恐ろしさはありませんでしたがとても懐かしい時間と出逢うことが出来ました。

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