皆様、ご無沙汰しております。
期の変わり目で少々バタバタしています。
そんな中、気候もずいぶんと穏やかになってきたのでGPSロガーを使って写真にGEOタグを付けてみることにしました。
GPSロガーは手元に2機種(SONY GPS-CS1KSPとATP PhotoFinder)あるのですが、GPS-CS1KSPはPhotoFinderと比べてしまうと少し性能的に使い辛い点があるようです。
SONYのハンディーGPSは昔から感度の面で今ひとつなものが多いらしく、企画倒れ的な印象がぬぐえませんが、モノとしては圧倒的にGPS-CS1KSPの方が綺麗な造りで付属ソフトウエアも良くできているので非常に残念です。
もし、SONYがこの製品にSiRF Star ⅢクラスのGPSモジュールを採用していれば現在簡単に手に入るGPSロガーとして最高のモノだったのではないかと思います。
一方、ATP PhotoFinderは単体でSDやMemoryStickに記録された画像ファイルにタグ打ちが出来るので付属ソフトウエア自体がありません。しかし、本体で行える画像とログのマッチングでは信号ロスト中はマッチングの対象外になるなど不都合があり、結局、ログデータをPCに吸い上げてPC上のソフトウエアを利用してマッチングを行うということになります。
PhotoFinderは本体に小さいながらもLCDディスプレーがあり現在位置、時刻、ステータスなどの情報が表示される点も良いところだと思います。(しかしその分、電池寿命が短めです。)
あと、Web上のレビューをみるかぎりにおいて単純なGPSロガーとしてはGlobalsatのDG-100(コメット DL/3)がとても優秀なようです。
その他いろいろなGPSロガー
・ 受信感度が-155dbあれば何とか実用に耐えるのではないかと思います。(値が小さい方が高感度)
画像ファイルのExifにGEOタグがあると、後らかその写真の撮影場所を確認できるのでとても便利です。
どちらのGPSロガーもログ情報をファイルとして保存できるのでGoogle MapやGoogle Earth、カシミールなどのソフトを使用することで撮影当日のパス(道順)が地図や航空写真の上に表示できてとても楽しいです。
ログデータの利用においてはとても優秀なフリーウエアが公開されていて、手軽にログデータと画像を合わせてGoogle MapやGoogle Earthに表示するHTMLやKLMファイルを生成できます。
・ サンプル1(ATP PhotoFinder + trk2googlemaps & kml)
・ サンプル2(ATP PhotoFinder + trk2googlemaps & kml)
・ サンプル3(SONY GPS-CS1KSP + SONY GPS-CS1K to Google Earth & Maps converter)
・ サンプル4(SONY GPS-CS1KSP + trk2googlemaps & kml)
サンプルを見ていただくと一目瞭然ですがGPS-CS1KSPのパスはかなりギザギザしています、これは測位が安定せず誤差が大きいためです。
またGPS-CS1Kはログの周期が15秒と長めのため、徒歩の場合は問題にならないのですが自転車での移動では1回のログ間隔に100m以上移動してしまうためどうにもいい加減なパス表示になってしまいます。
GPSロガーはまだまだ目新しい分野の製品のため選ぶ基準が良くわからないのですが、少なくともログ間隔は数秒以下でないと自転車より速い乗り物では役に立ちません。
また通常GPSロガーは地図データを持たないためロードマッチングも出来ませんし測位もGPS信号のみに頼るスタンドアローン方式なのでGPSそのものの感度、精度、衛星補足能力がそれなりに優秀でないと役に立たないということです。
それから、実用上大きな問題になるのが立ち上げ速度です。
GPSは衛星補足から測位状態になるまで状況に応じてそれなりの時間を要します。
・ ホットスタート : 測位中に遮蔽物などの影響で一時的に衛星からの信号を見失い、それが回復したときに再測位に必要な時間
・ ウォームスタート : 短い時間の電源OFFから電源をONにしたときの測位開始までの時間
・ コールドスタート : かなりの時間、電源を切っていた後の電源ONから測位開始までの時間
それぞれの状況下でどのくらいの時間が必要かをしっかり確認しないといけません。
ホットスタートは大抵のGPSロガーで1秒から数十秒以内ですが、コールドスタートは機種によりかなりの差が出ます。
PhotoFinderのコールドスタートは空が開けている状態では3分前後です。これに対してGPS-CS1KSPは感度が悪いせいもありコールドスタートにかなりの時間を要します、電波状況が悪い場合は10分以上たっても測位が開始されない事も時々あります。
コールドスタートでは、最初に衛星の運行データを受信するようですが、これがそれなりのデータ量のようでこの受信を行っている時に電波状況が良くない(受信がと切れる)ととても時間がかかります。受信状態が悪く歯抜けになったデータの再構築を行うためかGPSモジュールの種類により大きな差が出ます。
また、コールドスタート、ウォームスタート時は測位が開始されるまで移動しない方が早いように思います。
これらの性能はGPSロガーが使用しているGPSモジュールの性能差でPhotoFinderが使用しているSiRF Star Ⅲは多チャンネル、高感度、高速で定評のあるモジュールです。
GARMIN NUVi 360もこのモジュールを使用していてハンディーGPSとしては驚異的に高速、高精度、高感度です。
GPS-CS1KSPはSONY独自のモジュールを使用しているのか詳細がオープンになっていませんが、使用した感想ではSiRF Star Ⅲとはかなりの性能差があるようです。
GPSロガーは車載のGPSナビゲーションほど設置場所(アンテナ)条件を良くできないので性能面をしっかり見極めて購入しないと失敗します。
精度、感度、速度以外にも電池の持ち、サイズ、重さ、価格などいろいろと制約の多い難しいガジェットだと思いますがうまく使えればかなり面白い玩具ではないかと思います。
2 件のコメント:
とても興味深いツールですね。
でも、私はモノグサなので、早くデジカメに内蔵して欲しいです。
PENTAXさん、RICOHさん、お願いします!(笑)
>hoppymanさん
どもども、結構面白いツールですよ。
デジカメに内蔵してしまうにはもっと感度が良くなって測位に掛かる時間も短縮されないと駄目ですね。
携帯電話に内蔵されているGPSの方が優秀なように思いますので、そちらの技術が転用されてくると良いですね。
Panasonicあたりが作ってくれそうな気がします。SONYもありそうですが本文にも書いたようにSONYのGPSは今ひとつのような感じですので如何なモノでしょうね。
コメントを投稿