2008年2月4日月曜日

手持ちのレンズ ベスト・テン(その4)

 
第7位 LZOS INDUSTAR-61L/Z-MC 2.8/50 (M42)



気が付くともう2月で、1月はまるまる怠けてしまいました。

さて、手持ちレンズの勝手ベスト・テンも第7位まできました。
第8位と第7位ははからずも同じLZOS製のロシアンレンズであります。

INDUSTAR-61L/Z-MC 2.8/50は焦点距離50mm、開放F値2.8のテッサータイプ(?)プリセット絞りレンズで正式にはマクロレンズではないようですが最短撮影距離が30cmとAPS-Cのデジタル一眼ではポートレートマクロとしてとても使いやすいレンズです。

このレンズの特徴は以下の2点だと思います。
①ランタンガラスを使用したレンズである。
②絞りの形状がお星様(六芒星)になる領域がある。

①のランタンガラスについては正直どこがどのように良いのか悪いのか僕には判りません。(酸化ランタンをレンズの硝子基材に使用するとサイズの割に光学特性の良いレンズが造れるのだそうです。)
酸化ランタンは酸化トリュウムを使用した某レンズのように放射線を出すことも無いので安心ではあります。

②に関しては、とても興味深い特徴でこのレンズを入手した最大の理由でもあります。

こんな風に光源ボケを星形にすることが出来ます。

テッサータイプですが開放でのボケは柔らかくとても綺麗です。



一転、少し絞るととてもシャープで硬目の描写となります。テッサーでよく言われる後ボケの煩さや二線ボケ傾向はあまり感じられません。


テッサータイプなのでテレセントリック特製はあまり良くないはずなのでデジタルで使用する場合周辺部光量に問題があるのかも知れませんが、APS-Cで使う分にはほとんど気になりません。

発色も良くとても使いやすいレンズだと思います。

デジタル用のズームレンズは最短焦点距離が短いのとテレセントリック特性を上げるために前玉が凹レンズのレトロフォーカスタイプが多いのでボケ味という点ではこのようなレガシーなレンズに分があるのかも知れません。

また、このレンズは前玉が深い位置にあるためフードいらずなのもありがたい点だと思います。

が、ご覧のように造りの粗雑さはロシアレンズらしさを十分に発揮しています。特に文字の彫りの甘さといい加減さは流石です。

最新レンズの高性能さを重視される人にとっては論外なレンズなのかも知れませんが、一度この手のレンズのコンパクトさ、素直さ、個性(らしさ)を体験してしまうと大きく重いAFズームレンズを持出すのは面倒に思えてしまいます。


余談ですが、ほぼ同じスペックのsmc PENTAX-A MACRO 2.8/50と比べるとボケの柔らかさ、歪みの少なさではダブルガウスタイプと思われるsmc PENTAX-A MACRO 2.8/50の方が良いような気がします。

smc PENTAX-A MACRO 50/2.8 + *ist DL2

ですが、PENTAXの暖かみのある雰囲気と比べて、独特の場末的な色気がINDUSTAR-61Lにはあるように思います。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>独特の場末的な色気
なるほど!言い得て妙。
私が何とか表現しようと思いながらも、いい言葉が見付からなく隔靴掻痒に思っていたところを見事に言い当ててくださいました。

Hoppyman さんのコメント...

お、いよいよ「お星様」レンズの登場ですね!

同僚に戦車のプラモデルの組み立てを趣味にしている人が居るのですが、彼が面白いことを言っていました。

ロシア製のプラモデルは部品がバリだらけで、組み立てる前に全ての部品のバリ取りから始めるそうです。また、部品の組み合わせ精度が悪く、部品を削りながら、或いは隙間をパテで埋めながらカットアンドトライで組み立てなければならないそうです。

そうして組み立てた完成品の姿は緻密な日本製には劣りますが、何とも言えない「味」があるとのことです。

この話を聞いて、あぁ、レンズも同じなんだなと思いました(笑)

ten さんのコメント...

>ちぇるさん
いつもありがとうございます!

いやぁ、このレンズのちょっと雰囲気のある写り、僕もどう表現したらいいのやら結構悩みました。

気に入っって頂けたようで嬉しいです。

ちぇるさんはいつも言葉を吟味して書いておられるので読ませて頂いていて勉強になります。

文章というのは本当に奥の深いものですね。

ten さんのコメント...

>hoppymanさん
戦車のプラモですか!!
渋い趣味ですね。

戦車に関してはほとんど判らないのですが、ミニカーでは国産のミニカーはとても良くできているのですがたたずまいが非力なモノが多いように思います。

実物を寸法とおりに精密に縮小しても良いモデルにはならないようです。

実物の持つ雰囲気を残すためには感覚的なデフォルメが必要なようで海外のモデルは緻密さは無いけど雰囲気が抜群に良いものがあると思います。

レンズの描写というのも計算だけで全てを制することは出来ないのかも知れません。(人が見たり聴いたりして感じるものは数値化するのは無理があると心底思っています。)

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